日本に住む外国人が不動産を相続する際には、特有の法律や手続きが関わってきます。相続手続きが複雑であるため、正しい情報を持っておくことが大切です。この記事では、日本の不動産を相続する外国人が注意すべきポイントについて解説します。
日本の相続法(民法)と外国人の権利
日本の相続に関する法律は、民法相続編に記載されています。この民法相続編のことを、通称で相続法と呼びます。
相続法は、日本国内で発生した相続に適用される法律なので、日本に住む外国人にも同様に適用されます。ただし、日本の法律に従って相続が進むため、外国人相続人には特有の手続きや制限があります。
遺言の効力
不動産に関する遺言は、日本の法律に従って解釈されます。遺言が日本の法律に適合していない場合、相続手続きが複雑になる可能性があります。
相続分
日本の相続法では、配偶者や子供、その他の親族に対して一定の相続分が決まっています。外国人でもこの規定が適用されます。例えば、外国人の4人家族がいるとします。父、母、長女、長男の4人家族です。もし、父が亡くなった場合、父名義の不動産は以下のように相続されます。
母:1/2
長女:1/4
長男:1/4
ただ、不動産を分割することは難しいため、それぞれの持分を上記の割合にするか、現金化して上記の割合で分けることになります。
なお、2020年の民法改正により、配偶者居住権が設定されました。
上記のケースに当てはめると、父名義だった不動産が自宅であった場合、妻は無償でその自宅に住み続けることができます。ただし、妻の持分は1/2となります。
不動産の管理と維持費
日本の不動産を相続した場合、その管理や維持に関する費用も考慮する必要があります。外国人相続人が不動産を管理するためには、以下の点に注意が必要です。
管理と維持費:
- 維持費用: 不動産には固定資産税や管理費、修繕費などが発生します。これらの費用は相続人が負担することになります。
- 管理の手配: 日本に住んでいない場合、不動産の管理を専門の管理会社に委託することが考えられます。信頼できる管理会社を選ぶことが重要です。
相続手続きと専門家の利用
日本の不動産相続には複雑な法的手続きが伴います。外国人相続人は、日本の法律や手続きに精通した専門家のサポートを受けたほうが安心ですね。